新人スタッフFです。
先日はクーラーの吹き出し口から大量の水が噴き出してきてびっくりしましたが、水繋がりで昨夜は仕事終わりにプールで泳ぎリフレッシュしてきました。
さて、今日は「悲しみから絆を深める」と題してお話ししたいと思います。
とある大病院の小児心臓外科集中治療室に勤務している看護師(私は彼女をスーパーナースと呼ぶ)Eさんと以前に経験したお話しだ。
彼女がある時、こんなことを言う。
「Fくん、私のところにこどもさんが入院していたご夫婦がいて、ご自宅に招待されているんだけど、一緒に行かない?奥さまは、若い時の黒木瞳に似ているんだよ。ご主人も凄く素敵な人」と
私は、なんか楽しそうだな・・・、と思い即答で「YES!」
当日、Eさんと待ち合わせし、そのご夫婦のご自宅に伺った。
感じがよく素敵なご夫婦がお出迎えしてくれて家の中に通された。
確かに、奥さまは、黒木瞳(若い頃の)に似ている。
大学時代にコンパ(今はコンパなんで言わないか笑)でよくありがちだったが、女子が「〇〇に凄く似ている綺麗な子がくるよ!」等と言い期待に胸を膨らませていると、どこが似ているのか全く分からないケースが多かった。
しかし、「Eさんは、その手の話しはかなり信用できる」と確信したのだ。
私は、恥ずかしくなり、黒木の目を見て話すことができなかった(かなり珍しいケース)が、そんなことよりも、その後、あまりにもびっくりする出来事が起きたのだ。
病院に入院されていたのは、そのご夫婦の男の子(まだ1歳になったかならないかぐらい)で部屋で横たわっていた。
年齢よりも小さく見えたが可愛いお子様だ。
普通の自分なら、子供好きなので、「抱っこさせてもらっていいですか?」なんで聞いてしまう。
が、さすがにそんなことを言いだせるような空気感ではない。
4人で食事をしながら談笑していたが、突然・・・・
お子様が痙攣を始めたのだ・・・・。
私は、顔面蒼白。それまで、こんなにびっくりしたことはなかった。
黒木に浮かれている気持ちなど一瞬で吹き飛び、凍り付いた。
すると、ご夫婦も看護師のEさんも、とても冷静で全く談話していた時と表情が変わらない。
つまり、ビビりまくっているのは私一人なのだ。
しかし、そこから更に私をびっくりさせる驚愕の出来事が起きたのだ。
黒木が、お子様の足を持って逆さづりのようにして身体をトントンとたたき出したのだ。
それを誰も止めない。
「なぬ~、ここにいる人たちみんな頭おかしいかも・・・、どっかのタイミングでに逃げないと。でもこんな具合の悪いお子様を虐待するのを見て見ぬふりをして逃げるわけにはいない・・・困った」
さらにさらにだ!
看護師のEさんが、お子様を受け取り、足を持ち逆さにしてトントン叩いているのだ。
私は、勇気を出して声に出した。
「そんなことしていいの!?(怒)」
Eさんは言う。
「Fくん、初めて見たらびっくりするよね。発作が出たら、この子の病気の場合、こうやって対処するんだよ」と。
スーパーナースの言うことだから間違いないようだ。
ご夫婦も「びっくりされたでしょう。すみません」と言う。
すると、お子様は何事もなかったかのように落ち着いて、その後は可愛い顔をして横たわっている。安心した・・・。
心臓に病気を持ち生まれてきたお子様を育ててきたお二人だが、いまのように夫婦仲良く、寄り添い、冷静でいられるまでには、筆舌に尽くしがたい色々な出来事があったそうだ。離婚の話しも直前まで進んだらしい。毎日、会話もなく、暗い生活が続いたと。
しかし、一番苦しいのは我が子だと、気づき、ふたりで泣き明かしたことがあるらしい。私のblogなどでは、表現することもできない、多くの苦しみを乗り越え今があるのだ。
黒木が私にこんなことを言った。
「はじめての子供で親として1年生でした。とても二人とも未熟だったので、現実を受け入れることができませんでした。毎日、私のせいだ、と思い胸が引き裂かれる思いでした。初心者マークの親なのに、それに気づかず。私も彼も毎日暗くイライラしていて・・。でも、ある時、苦しむ子供の姿を見て、ふたりで朝まで大泣きして気づいたんです。一番苦しいのは我が子なんだ。自分たちは、まだ初心者マークの付いた親。現実を受け止め、今を幸せに思い、大切な時間を家族3人で笑顔で生きて行こうと。それが生きる意味なんだと思いました。何よりこの子から親として成長させてもらいました。今は、毎日が幸せです」と。素敵な笑顔で。
最近、パセリづくりにハマっているとのことで、すっかりご馳走になって後で、パセリを頂いた。
その翌年、お子様は亡くなった。
お葬式に伺ったが、ご夫婦は、悲しみの中にもお子様を送り出した安堵感もあったのだろう、立派な立ち居振る舞いだった。
最近、世の中では、マッチングアプリだらけで、YouTubeを見ていても、うざいほど、広告が出て来る。
感染症等、社会問題としても一部報道されているが、色欲に酔っている場合ではない。
また、結婚すればいいという問題でもない。
結婚しても、色々な試練が待ち受けているのだ。
でも、それを二人で乗り越えていくことの貴さを知って、初めて人としての成長もできるし、お金では買えない、作り物ではない絆を得ることができるのだ。
唯一無二のパートナーがいるって、本当に幸せなことなんだな~って、心の奥底から思った出来事だった。
街並みを何ごともないように歩いている群衆も、それぞれ辛い何かを抱えながら生きているのかもしれない。
でも絆を持てる唯一無二のパートナーがいれば、きっと乗り越えられると思う。
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