WBCで日本を世界一に導いた栗山英樹さんの著書『信じ切る力』の中で「いい勘違い」と「ダメな勘違い」について語っています。

栗山さんは、元ヤクルトスワローズの選手でしたが、ドラフト指名で入団したのではなく東京学芸大学からプロテストを受けテスト生として入団した経緯があります。

後に、プロ野球選手をたくさん輩出していた東京六大学の野球部に所属していたものの、プロにはならなかった人と親しくなり、こんなことを言わたそうです。

「クリさん、東京六大学に来ていたら、絶対にプロには入っていないと思いますよ。だって、六大学にいたら、プロに行く人のレベルが分かるから。まわりにそういう人がいなかったから、プロになろうなんって、バカなことを考えたんですよ」と。

栗山さんは、「確かに」と思ったそうです。

しかし、これは「いい勘違い」です。

勘違いをしていなければ、プロ野球に入らなかったし、一軍で野球をすることもできなかった。日本ハムファイターズの監督を任されることもなかったし、WBCの監督として日本を世界一に導くこともなかった。ましてや、大谷翔平が世界のスーパースターになる可能性も摘まれていたことでしょう。

一方で「ダメな勘違い」もあります。

子供の頃から神童と言われるほど勉強ができた、学校の運動会でも突出して足が速かった、野球がうまかった等で、周りの人から誉められ天狗になってしまう。そして、有頂天になり傲慢な態度が目に付くようになる。

これは「ダメな勘違い」です。

また、自分を過大評価しすぎて、背丈以上の振舞をすることも「ダメな勘違い」と言えるでしょう。

やはり、社会を生き抜く中で「勘違い」の仕方というのはとても大事なことなのです。

婚活においても同じことが言えます。「いい勘違い」の人と「ダメな勘違い」の人がいます。

以前、私の友人で体重が3桁の女性がいました。小学校時代から既に太っていてスレンダーだったことがないそうです。

ある時、彼女は、ふと「自分は、半分の体重になったら絶対に美人になれる。いける!」と思ったそうです。

そしてジムに通いだすのです。

とにかく毎日、日課としてジムに通っているうちに、ジムに行かないと落ち着かなくなる。

ジムに通ううちに段々と体重は落ち、ウエストは引き締まってきて、自分に変化があらわれてきたのです。

彼女の身長は160センチですが、ついに48キロになります。

すると、まず着るものが変わってくる。今まで着れなかったようなお洒落な服が着れるようになります。

そして自分に自信が出てくるのです。

服が似合ってくると、髪型も自分に似合った髪型が分かってきて綺麗に整えるようになる。

そしてメイクもそれに合ったメイクをするようになる。

結果、彼女は160センチで48キロの超美人な女性になりました。

さらにさらに、自分の努力が報われ自信が持てるようになると心に大きな充足感と余裕ができ、周りの人たちにも優しくなれる自分に気づいたそうです。

これって、間違いなく「いい勘違い」ですよね。

普通だと、「もう私は小学生の時から太っているし、こういう人生。無理だわ~」と思って諦めてしまう。

けれども、彼女は「いい勘違い」からことが始まります。

これとは逆に自分を過大評価しすぎで傲慢な態度が目立つ人もいます。また、自分の才能や天性の美貌だけで勘違いしてそれを拠り所に天狗になり生きていく人もいます。

これは「ダメな勘違い」

婚活において、ひとつひとつのご縁を大切にできない人等は、この「ダメな勘違い」をしていることが往々にしてあります。

人生、最後まで天狗でいられる人はいません。どこかで鼻をへし折られるのです。

栗山さんは最後、そう綴っています。

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