新人スタッフFです。お久しぶりになりすみません。

私ごとですが、体調を壊し手術を行って、1ケ月近く入院していました。

人生初めての入院、看護師さんは綺麗で癒されましたが、コロナの影響もあり、面会は、1週間に1度(30分)それも2人までといった取り決めがありました。

病気で辛い時、誰とも会えない心の寂しさ。

人間最後は一人で旅立つけれども、生きている間は、人からの優しさや温もりを感じていたいものだ。

私はそれを痛感しました。

世の中では、今後30年以内に70%から80%の高確率で発生すると言われていた南海トラフ大地震が発生する可能性があると注意喚起されています。

聞くところによると、東日本大震災の10倍ほどの被害をもたらす可能性があるという。

日本に住んでいるすべての人が安全で、どうにか災害から身を守って欲しい。

病気から不死鳥のごとくこの世に舞い戻ってきた私ですが、人生何が起こるか分からない。

一日一日をありがたく大切に生きねば・・・・。

前置きが長くなりましたが、今回は「東日本大震災で気づいた愛」との題目でお話しします。

私より年長で友人のT君(便宜上「君」づけですみません)は、大学卒業後、東京の大手水産会社に就職した。

もともと彼の実家は三陸海岸に近い場所で水産会社を経営していた。

そのため、東京での修行後、実家の水産会社をお兄様とともに継ぐ予定であった。

T君には、大学時代からずっと付き合ってる彼女のK子さんがいたが、ちょっとした心のすれ違いから、就職2年目でお別れすることになった。

やがて時が経ち、彼は東京の会社を退職し、実家の水産会社に入社するため東京を離れていった。

別れたK子さんは、大学時代の共通の友人からそのことは、風の便りで聞いていたそうだ。

2011年3月11日14時46分、未曽有の大災害がとうとう東北地方一帯を中心に日本列島に襲い掛かってきたのだ。

テレビでは巨大な津波に飲み込まれていく街の様子が、あまりにも恐ろしく悲しく、淡々と映し出されている。

多くの死傷者が出ている模様だ。

時を同じくして、K子さんも胸が張り裂ける想いでテレビから流れる映像を見ていた。

「T君の会社がある地域が津波に飲み込まれていく」「彼は無事なのか・・・」「ご家族・従業員のみなさまは無事なのか・・」、心配で胸が張り裂ける思いで、立ちすくみ茫然としていたそうだ。溢れる涙が止まらない。

T君と過ごした楽しかった日々、喧嘩した時のこと、彼の笑顔・・・色々なことが頭の中を走馬灯のように駆け巡ったという。

「T君生きていて欲しい」「神様お願いT君を助けて・・お願い」

しかし、T君は、ご両親、お兄様、従業員、そしてそのご家族の多くを失う結果になっていた。

その時点では、T君も実情を知りえていない。

実は、幸いにもT君は、東京に出張で来ており難を逃れた。

東京駅で足止め状態。少しでも東北に近づきたいとの一心から上野まで歩く。

上野駅は、全てシャツターがおろされ改札前の構内に入る事ことさえできない。

もの凄い寒さに耐え忍ぶしかない。

彼は、ご両親・お兄様・従業員、そしてそのご家族の安全をただただ願い、寒さに耐えていたそうだ。

「人生ってはかないな。いつ何が起こるか分からない。自分に寄り添ってくれる人、大切な人がただ一人いれば、人生は報われる」

そう思ったそうだ。

色々なことが頭の中を駆け巡り、特に自分に優しくしてくれた人の笑顔や思い出が、心を温かくしてくれ、なぜか涙が止まらなかったそうだ。

目をつぶると、まぶたの奥で一番思い出された人、それがK子さんだったという。

「彼女は大丈夫かな・・・・」

夜は深まる。

別れた当時、K子さんは、千駄木に一人で暮らしでいたことをふと思い出す。

彼はだめもとで彼女のところに歩いていくことを決意する!

マンションに着いた。

彼女はいたのだ。

心配で心配で壊れそうな気持ちでテレビの映像を見ているところだった。

二人は、5年ぶりに再会したのだ。

そして、今、T君とK子さんは、結婚し素敵な家庭を築いている。

K子さんは、ご自身が勤める会社を退職し、T君と実家の水産会社の立て直しに奔走してきた。

「生涯寄り添う唯一の相手がいること」「何があっても最後まで自分の味方でいてくれる人がいること」「そして、誰よりも心の底から愛しく大切に思える人がいること」、この大切さを二人は噛みしめているのだ。

T君は、ご両親、お兄様、従業員、そしてそのご家族を亡くす結果となり、計り知れない悲しみに苛まれることになるが、同時に、「人生で一番大切なことに気づいた」という。

人は窮地に追い込まれた時にその人の本性が出る。

5年前にお別れして、二人は、それ以来一度も会っていないし連絡も取り合っていなかった。

別れる時二人でそう決めたそうだ。

頭の中の理屈だけでは解決できなかった感情がお互いの潜在意識の中にしっかり残っていたのだろう。

私は、T君もK子さんも大好きだ!

生涯寄り添うことはできないし、誰よりも心の底から愛しいわけではない、けれども、何があっても最後まで私はT君とK子さんの味方だ!

私は、死の淵から生還した不死鳥だ!、T君・K子さん、私がついている。安心してくれ!!

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